小枝とモフモフが天然の着火剤に。落ちている素材を使う焚き火の楽しみ。 By KikuchiKaoruPosted 9月 28, 2022 山奥の秘境のようなキャンプ場で、天然の着火剤を使って焚き火をしませんか。ここ、千代田湖キャンプ場は、標高1,300m。街の明かりも届かないような場所です。 こんな山奥にせっかく来ていただくのなら、場内にある天然素材を着火剤として使って焚き火をしてみるのはいかがでしょうか。市販の着火剤はとても便利な代物ですが、たまには一手間加えて火起こしをすると、焚き火の楽しみが広がります! まずは、ご注意点から。焚き火をする方は、薪を持参してください。(販売はありません。)そんなに山奥なら薪になりそうな枝も落ちているのでは?と思うかもしれませんが、残念ながら秋になるとほとんど落ちていません。春から初夏ぐらいまでは、冬期に雪の重みで落下した、比較的太い枝などを見つけられます。ですが、そういった枝は人気なんですよね〜。夏の繁忙期前には、ほとんどなくなります!なので、薪は持ってきてください。 その上で、天然の着火剤を探しましょう。探してほしい物は2つ。 1つ目は小枝。焚き付けに良さそうな細くて短い小枝がたくさん落ちています。2つ目はモフモフ。見た目がモフモフしているので勝手にそう呼んでいますが、「サルオガセ」という名の植物です。木に絡みついて寄生するので、落下している枝とセットで見つかることが多いです。 こんな風にサルオガセは枝に絡みついています。 たかが着火剤用の素材探しですが、探し始めると無心になり、気がつけばあっという間に時が過ぎていきます。こういう作業、実に楽しいんです!探す場所は、林間サイト方面が良いです。湖畔サイトに設営する方も、ぜひ、枝探しがてら、林にも足を踏み入れてください。美しい湖畔に目を奪われがちな千代田湖キャンプ場ですが、林間サイトのカラマツ林も自然に浸りたい方にはおすすめですよ。 千代田湖キャンプ場のカラマツ林 さて、それでは見つけたモフモフと小枝を着火剤代わりにして焚き火をしましょう。大前提として、焚き火台と焚き火シート(スパッタシート)は必ずご使用くださいね。 モフモフの上に小枝をのせます。この時、モフモフにより多くの空気が含まれるように「ふわっと」優しく広げてください。そしてその上に、鉛筆より細い小枝をのせましょう。着火して小さな火を起こします。モフモフと小枝にある程度火が入ったら、細い枝(小指程度)から徐々に枝を太く(親指程度)にしていき火を大きくします。火が育ってきたら、薪にも火を入れていきましょう。 もちろん市販の着火剤を使用しても良いのですが、せっかく自然豊かな場所に来てくださるのならば、天然素材を使う方が雰囲気も出るってもんです! ただし、降雨や夜露などで小枝等がぬれている可能性もあるため、念のため市販の着火剤もお持ちください。 最後に1つお願いです。使って良いのは落ちている素材のみ。どうか、木からむしり取ることはおやめください。特に近年、シラカバの樹皮を火口に使う方法をSNSなどで見かけます。場内の木々の多くはカラマツですが、シラカバもチラホラ確認できます。 シラカバの樹皮を使ってみたいな〜という方は、シラカバの木の周辺をじっくりと探してください。もし枝が落ちていたら、それは使ってOKです!くれぐれも、写真のようにシラカバの木を傷つけることだけは絶対に、絶対に、おやめください。こんな惨状を目にすると、スタッフが涙目になってしまいます( ;ㅿ; ) 千代田湖キャンプ場は、最低限の設備の中で自然に親しむ場だと思っています。いつもの焚き火にほんの一手間加えて、揺らぐ炎に癒やされる時を大自然の中で過ごしてみてはいかがでしょうか。